設 立 | 1993年 |
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設立者 | リュック・モンタニエ博士 (HIV発見者 2008年ノーベル医学生理学賞受賞者) フェデリコ・マイヨール氏 (当時のユネスコ総裁) |
目 的 | 世界的なエイズの研究・予防のためのネットワークの構築 |
本 部 | パリ ユネスコ内に設置 |
活 動 | ・WHOと協力しての医療インフラの整備 ・アビジャン・研究治療センター(コートジボワール)での治療・予防ワクチンの研究開発 ・カメルーン、リビアなどでの第2、第3のセンターの設立 ・予防活動の強化 ・2021年12月、理事長の高齢化によりユネスコ本部の活動終了 ・コートジボワールのアビジャン・研究治療センター及び日本事務所は活動継続中 |
財団の日本事務所は、アジアにもエイズ予防活動の拠点をというモンタニエ博士の強い要望で、1998年に岐阜県揖斐郡大野町に設立されました。代表は林幸泰。
1998年11月7日、大里研究所(岐阜県大野町)にてリュック・モンタニエ博士、フランス大使館、ユネスコ関係者(パリ本部)、学術関係者など、各界で活躍される多数の方々をお迎えし、世界エイズ研究予防財団のアジアセンターとなる日本事務所開設の式典を開催しました。
華やかなコンサート(チェロ菅野博文氏、ピアノ徳江陽子氏)も行い、和やかな開催式典となりました。
オープニングでの挨拶で、HIV発見者で研究者でもあるモンタニエ博士は、次のように語りました。
「日本においてエイズは、一般の病気ではないが、東南アジアのタイ、中国、インドでは、憂慮されなければならない病気となった。貧困により治療が受けられない東南アジアのHIV感染者の為に日本の皆さんが何かをしなくてはいけない。そのひとつがエイズ研究。これを進めることでより安価な治療法、治療薬が確立できる。さらには予防研究としてエイズワクチンを開発しなければならない。
あらゆるエイズ研究における世界ネットワークを築き上げることでエイズ研究をより早く進められると私は信じている。その上、エイズ研究により、ガン、慢性疾患、免疫不全などの治療方法を発見できる可能性が非常に高い。世界エイズ研究予防財団 日本事務所開設を機に日本の皆さんにもっとエイズについて考えていただきたい。」
モンタニエ博士の熱い思いを日本中に伝えることが日本事務所の重要な活動のひとつです。
財団では、「エイズの最良のワクチンは教育である」という考えに基づき、地元の小中学校、高等学校などと連携し、対話を通じた草の根エイズ予防活動に努めています。要望があれば、どこへでも出かけて子どもたちとの対話を通じた講演を行っています。また、財団理事長のモンタニエ博士を招き子どもたちとの勉強会を開き、音楽を通したエイズ予防啓蒙活動としてチャリティーコンサートなどの活動も行っています。
世界エイズ研究予防財団は、ユネスコの協賛により設立され、発展途上国のエイズ患者への支援を中心に活動しています。私どもの日本事務所は予防教育に大変力を注いでおり、この活動が広がっていくことを心より希望しています。
HIV(エイズウイルス発見者)
フランス医学アカデミー会員
フランス化学研究センター研究部長
ルイ・パスツール研究所教授(~1997)
ニューヨーク大学クイーンズカレッジ
分子生物学センター教授兼部長(~2001)
世界エイズ研究予防財団理事長(1993~2021)
CNRS銀メダル
ガン医学ローゼン賞
レジオン・ドヌール・ナショナル勲章
ノーベル医学生理学賞
厚生労働省の発表によりますと、2020年に報告されたHIV感染者報告数は750件、AIDS患者報告数は345件でした。日本は、年間1,000件以上の新規報告が続いている状況にあり、累積報告件数は32,000件を超えました。主要先進国ではやや減少傾向にありますが、日本のHIV感染者・AIDS患者は増え続けています。
HIVから身を守る最大のワクチン、それが予防教育です。子どもは国の宝であるのに、2020年には全世界で年間約16万人もの子ども達が新たにHIVに感染しています。(UNAIDS発表)
一人でも多くの子どもたちを守りたいという思いから、
モンタニエ博士の意志を受け継ぎ予防啓蒙活動を継続していきます。
(財)世界エイズ研究予防財団
日本事務所
代表 林 幸泰