地元の大野町で開催されたイベント、インキュベートビレッジ2005「ばら・ユーモアいきいきらんど」(愛・地球博パートナーシップ事業)の一環として、大野町教育委員会と世界エイズ研究予防財団日本事務所の共催で「世界エイズ予防教育研修会議」が開催されました。
HIV発見者のリュック・モンタニエ博士、日本のエイズ疫学の第一人者である木原 正博教授、ナイジェリア出身のオケジー・アロマ博士の3人のスペシャリストを迎えてのこの会議に地元小中学生、県内教育関係者など約1000人が参加しました。
「子供たちの生の声が聞きたい」とのモンタニエ博士の希望で大野町立大野小学校の6年3組30人との公開授業が行われました。
ステージ上での授業は初の試みで、大勢の観客を目の前にして子供たちは最初は緊張していたものの、道具を使ってわかりすく語りかける手法の授業形式に、次第にリラックスした様子で熱心に耳を傾けていました。
まず、京都大学大学院木原教授、 ロンドンサウスバンク大学オケジー博士が、それぞれの見地から「世界と日本のエイズの現状」、「アフリカの現状」についてスライドを使って最新の情報を講義され、参加者に知識を深めてもらいました。
続いてモンタニエ博士が講演を行い「現時点ではエイズを治す特効薬はなく、かからないようにすることが大切」と予防教育の大切さを訴えました。また、栄養面での治療策において「病気の進行を妨げるには、薬と食事、規則正しい生活」が重要であり、予防策としても日頃からの免疫力の強化をしておくことが重要だとのことでした。
木原教授、オケジー博士、モンタニエ博士の講演終了後、大野中ブラスバンドによる生演奏が行われました。
次にいよいよ本会議のメインである大野中、及び揖東中の生徒、大野小児童が質問し、3人の博士・教授が答える「パネルディスカッション・エイズ研究のトップにいっぱい聞いてみよう(Q&A)」の質疑応答へと移りました。
世界的レベルで活躍するエイズエキスパートの先生に質問できる機会とあり、普段からエイズ教育を学校で受けている大野町のこどもたちからは、盛んに手が挙がり、マイクを向けられても臆することなく、次々と先生方に質問を投げ掛けました。
「なぜ血液の中でしかエイズウイルスは生きられないのか」「中学生でもエイズになる可能性はあるのか」「国の人口の1%がHIVに感染すると国が滅ぶと聞いたが日本はどうなのか」「友達がもし感染してしまったらどう接すればいいのか」等の質問に、各先生がそれぞれの見地から丁寧に回答しました。
質疑応答は1時間ほど続きました。会議の様子は、当日NHKニュースで放送され、また後日、岐阜新聞、中日新聞、朝日新聞の記事で紹介されました。